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息が荒い。何も考えられない。
翔雅に抱きしめられたままじっと寝台に沈んでいたら、翔雅の息も荒い事に気付いた。
翔雅も一緒なのだろうか。熱くて、苦しいのだろうか。
息が収まるにつれ思考も戻ってきて、少しだけ力も戻ってきた。だから重たい腕を持ち上げて翔雅に抱き付けば力強く抱き返された。まだ翔愛の内には翔雅がいて、身体はじくじく熱い。
「愛してる・・・翔愛、愛してる・・・」
囁かれる。まだ翔雅の息も整っていないから声が掠れて、けれど深く深く翔愛の内に染みこんでいく。
「ぼく、も・・・」
愛しています、と声が掠れて出なかった。けれど、顔を上げが翔雅がとても嬉しそうに微笑んで、汗に濡れて額に貼り付いた髪を梳いてくれた。
翔雅も汗だくで、ぽたりと汗が落ちてくる。もう汗が流れるだけで身体は跳ねないけれど、不思議な熱はまだ翔愛の内にある。
「痛い所は、ない、か?」
「だい、じょうぶだと、思います」
「・・・良かった」
ほう、と息を吐いた翔雅がずるりと翔愛の後ろから出ていった。
大きなものが抜け出る感触にぶるりと身体が震える。
「んっ、ふ・・・ぅ」
何だかとても熱かった。今も熱いけれど、もっと熱かった。
息を吐いたら薄っぺらな胸もへこんで、その上を翔雅の手が撫でる。
「汗だくだな」
「はい・・・あつかった、です」
「ああ、俺も熱かった」
髪をかき上げながら翔雅が低く笑う。翔愛も何だか笑いたくてくすくす笑っていたら口付けされた。少しだけ深い口付けはじんわりと浸みる。
そのまま翔雅が翔愛の隣に寝転がって、汗の浮かぶ身体を撫でる。それはとても優しくて気持ちよい手で、しっとりと吸い付く手は急速に翔愛を眠りに誘う。
熱くて、苦しかった身体は疲れたのだろうか。あっと言う間に眠くなる。
とろとろと瞼は重くなって目を開けていられない。まだ眠りたくない。何故だかとても眠りがたくて翔雅に手を伸ばせたしっかりと握られた。
「大丈夫。眠っても側にいる。おやすみ、翔愛」
意識を失う様に眠りに引きずられる。
夢の国に入る寸前、掠れた声がありがとうと呟いた様な気がした。
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