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星降る庭で...10 |
| あまりにも怖くて気を失ってしまった翔愛が目覚めれば目の前には厳めしい顔の翔雅がじっと翔愛を睨み付けていた。 それをぼんやりと見つめる翔愛は今自分が置かれた状況の何も分からずただぼんやりと翔雅を見つめ返す事しかできない。けれど、次第に意識がはっきりとすればそれはとても恐ろしい顔だった。 怖い。一番初めに浮かんだ思い。 喉の奥で小さく悲鳴を上げる翔愛に翔雅は何処までも冷たく翔愛を睨む。 至近距離。生まれてこの方、こんな近くに人の、他人の顔を見たことのない翔愛にとってはただそれだけで恐怖の対象になる。 怖い。かたかたと身体が勝手に震える。 大きく見開いた深い森の瞳からはじわりと涙がにじんでしまう、しかし翔雅はそれに気づきもせずにただ翔愛を睨み付けながら手を伸ばして翔愛の髪をぎゅ、と掴んだ。途端にびくりと身体が跳ねる。しかしあまりの恐怖に翔愛の声は出ない。 「染めた訳では無いのか」 はっきりと聞こえる舌打ちの音。 それすらも翔愛には恐怖の音にしか聞こえない。 「・・・何だ、何か言ったらどうだ?」 あからさまに震える翔愛に翔雅は冷えた声のままうっすらと冷たい微笑を向ける。それも、怖い表情だ。震える身体は恐怖しか伝えてこない。微笑みを浮かべる翔雅のその表情が本当は微笑みでは無い事くらい翔愛には分かる。これでも人の心の動きには敏感な方だ。但しそのセンサーは翔愛に向けられる憎悪にのみ敏感だが。 「ぁ・・・ぁ・・・」 何か言わなければいけないのだろう。翔愛は必死になって口を開くが全く言葉にならない。目の前の、自分に覆い被さっている人が王だと言うことは分かる。けれど、どうしてその王が自分の側にいるのか、髪を掴んでいるのか、冷たい笑みを浮かべているのかなんて翔愛には分からない。もちろん、自分が既に衣服を剥ぎ取られた後だと言う事すら分かっていない。 「まあいい。せいぜい楽しませてもらおうか」 震える身体に翔雅の手が触れる。直に感じる手の温度に初めて翔愛は自分が何も身につけていない事を知るがどうすることも出来ない。どうして何も着ていないのだろう。この人は、何をするのだろう。 「少しは何とか言ったらどうだ?」 嘲りの笑い声を喉の奥から響かせる翔雅は翔愛の瞳を見つめることなく、両手で細い身体に触れて、緊張と恐怖で既に立ち上がっている胸元の、小さな薄い桃色の突起を指先で弾く。 「・・・ひっ」 突然強く触れられた感触に翔愛が跳ねる。しかし翔雅はその身体を押さえつけて再度、今度は指先で強く摘んだ。 「いっ・・いたっ・・・」 当然痛みが走る。初めての痛みに両手を胸元にある翔雅の手に重ねるが恐怖で力が出ない。すがりつくかの様なその仕草は翔雅の瞳に心の底から怯えている様には見えない。 「ふうん。痛むか」 にやりと質の悪い笑みを浮かべて翔雅は更にきつく翔愛をつねる。何度も何度も、重ねてきつく摘めばみるみる間に翔愛の大きな瞳からは涙がこぼれ落ちた。桜色の唇からは悲痛な声しか漏れない。それでも翔雅は口元を歪めたまま胸元の手をそのままにもう片方の手を翔愛の下に滑らせる。片手ですっぽりと納めきれる翔愛の性器は痛みの為か恐怖の為か、まだくにゃりとして力がない。 「何だ、感じていないのか。芝居じゃなかったんだな」 その柔らかい感触に一人呟くと翔雅は涙を零す翔愛を睨みながら握ったばかりの性器を握りしめる。 「ぁうっ」 程々の力しか入れなかったから痛くは無いはずだ。翔愛から上がった声も悲痛のものではないのがその証拠だ。それに気を良くした翔雅はやわやわと揉み込みながら顔を伏せて白い肌のあちこちにキツく痕を残していく。翔雅の唇が触れる度にちくりと痛む。けれどそれよりも己の性器を包み込んでいる手の動きが気になって翔愛は気が気では無い。 「あぅ・・っ・・ぁ・・や、や・・」 止めて欲しい。何が何だか分からなくて、怖い。必死に両手を翔雅に伸ばすのにその手は軽く払われてしまって何の役にも立たない。それでも、もう止めて欲しい。身体中にちくりちくりと走る痛みと良く分からない感覚。それが怖くて怖くて、止めて欲しくて何度も翔雅に手を伸ばすのに、翔雅は取り合ってはくれない。それどころか。 「煩せぇな。少し大人しくしてろ」 翔愛の抵抗が気に障ったのだろう。舌打ちした翔雅が一端身を起こして翔愛を睨み付ける。その眼孔の鋭さに息を飲むと翔雅はにやりと笑って翔愛の細い手首を両方とも捕らえてしまった。 「この方がいいかもな」 翔愛に聞かせる訳でもない、独り言の様に呟いた翔雅は寝台に散らばる翔愛の衣装から紐を取り出すと翔愛の両手首を縛ってしった。 「やぁっ・・・やめ、て・・」 怖い。こんな、縛られるなんて初めての事だ。それだけではない。何もかもが初めてなのに翔雅はただの一つも説明してくれない。縛った手首を満足げに見つめた翔雅は喉の奥で笑って仕草だけは優しく翔愛の髪を梳いた。 「お前がどう言うつもりか知らんが、まあ少しは痛い目見て反省するんだな」 初めて翔愛に向けられた言葉。しかしそれはあまりにも冷たい言葉だった。 |
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