ハルと猫と魔法使い/悪あがき
06


ガイルの言う通り、風呂は直ぐに暖まった。
ガイルの魔法は相変わらず所帯じみているが、最近はハルを美味しく頂くためにも遺憾なく発揮されるらしい。
温い湯に浸かりながら既にハルは熱くなっていた。
揺れる湯と甘い息づかい、それにハルの小さな声だけが響いている。

「湯の中も中々だな。ハル、もう少し足を開いて」
「る、さいっ・・・んんっ、ふ、ぁ」

湯船の背に寄りかかり、正面からガイルがハルに触れている。
ハルはもとよりガイルも裸で、否応なく逞しい身体を見せつけられる。器用な指先は既にハルの内に潜っていて、出入りする度にハルの身体が跳ねる。

「は、ん・・・ガ、イル、もっ」
「出して良いぞ」

ガイルの低く甘い声が耳元で囁かれ、ぐり、と奧を押されればもうハルには我慢でない。一際高い声を漏らしながら達したハルにガイルが笑みながらハルの耳元に齧り付く。

「ハル、愛している・・・」

ハルからの返事はいつもない。けれど、ハルの腕がガイルの背にまわって、顔を覗けば真っ赤な顔が美味しそうに熟れ、潤んだ青紫色の瞳がふい、と反らされる。
何とも可愛い仕草だ。喉の奥で笑いながら唇を耳元から徐々に下ろし、胸元の飾りを甘く噛む。

「ぁ・・・や、ガイル・・・」
「力を抜け」

反らされる胸元を唇で追いかけながらハルの内にゆっくりと挿入する。体格に見合ったガイルのものは力を抜いても最初は辛い。眉間に皺を寄せるハルに気付きながらも胸元を愛撫し、気が紛れる様にハルの前に手を伸ばす。

「ん、はぅ・・・あ、あ・・・」

ハルの足がガイルの腰にまわり、身体が密着する頃にはハルの内に全てが収まった。荒い息を吐くハルを気遣いながらもガイルの唇が、舌があちこちに悪戯をする。感じすぎて文句も言えないハルがとても可愛いと思う。

「動くぞ」
「ん」

ゆっくりと動けば湯が揺れて風呂場に響く。顔を上げて甘い息を吐くハルに深く口付け、徐々に激しく動く。
ざぱ、と湯の揺れる音と、ハルの甘い悲鳴だけが風呂場に響いく。

こんな時、ガイルの意志とは別にハルの胸元に漆黒のドラゴンが浮き上がる。ガイルの印だ。普段は見えないそれも、ガイルの意志と、ハルの内にガイルの気が多くなると現れる。
ハルは気付いていないがガイルはしっかりと気付いていて、そっとハルの胸元に指を這わせると嬉しそうに微笑んだ。








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