ハルと猫と魔法使い/悪友の三色団子
...12



「んぁ・・・っ」

場所を変えて寝室。猫を入れない様にきっちりと扉を閉めた寝室からは湿った音とギシリと歪む音が聞こえてくる。
籠もった空気に布の擦れる音。そして、ハルの甘い声。

「ハルは甘いな」

ぺろりと舌を出してハルを舐め上げたガイルは既に全裸だ。
うっすらと汗の浮かんだハルを見下ろして笑みを浮かべる。
ガイル以前に剥かれてしまったハルはもう息も絶え絶えで赤く染まった顔でガイルを睨む。

「うるさっ・・いっ」

既に抵抗らしき抵抗も出来ずシーツに埋もれるハルは汗ばんだ手をガイルに向けて厚い胸板を軽く叩く。
その手を取ったガイルは指先を口に含んでくちゅ、と舐める。

「っ・・」

その動きにすら今のハルには厳しい。
既に何度か達した身体に余計な刺激は辛いだけ。

ぴくりと身体を振るわせるハルにガイルは指先を口に含んだまま覆い被さって指先を解放すると同時に深い口付けをする。
くちゅくちゅとハルの口内を覆うがままに貪って、力の抜けた身体に手を這わし、指先をゆっくりと最奥に滑らせる。

「んっ」

途端にハルからの抗議が上がるが気にせずにハルの物で濡らした指先をつぷりと中に入れる。
唇は離さずにハルの中を味わう様に指先を動かす。

「んっ・・・うんっ」

態と音を立てる様に動かして、唇を解放すればハルの首が力無く横に振られる。

「大丈夫だ。力を抜け」
「む・・・りっ・・・」

本数を増やしながらハルの熱を煽る。
苦しそうに眉間の皺を刻むけれど、ハルから上がる声は何処までも甘い。

今日こそは最後までヤらせてもらう。
口にせず心で決めてガイルは市郎からのプレゼントを手に取った。
キャップのあるそれを手に触れずに空けて、とろりと手の平に垂らす。
日頃火のつかなくなったコンロやわかない風呂を沸かすだけがガイルの力では無い。
物体を手に触れずに動かす事だって出来る。まあ、その使用方法が潤滑剤を空ける、なんて事では日頃使っている事と程度は同じだろうが。

「ハルは綺麗だ」

ガイルの下で喘ぐハルはとても綺麗だ。
細められた青紫の瞳は欲に濡れ、赤くなった唇は半開きにガイルの名を呼ぶ。
汗に濡れた身体は傷だらけのガイルとは違いすべらかで綺麗で、しっとりとガイルに馴染む。

「るさっ・・・いっ・・・」

但し文句だけは何時まで経っても減らないが、それもハルの可愛さの一つだ。
文句を言うクセにろくな抵抗もなくガイルに良い様にされるハルがとても愛おしい。

「つれないな、ハルは」

くすりと笑ってハルの中に埋めた指をぐん、と奥に押し込んだ。

「ひぁっ・・あっ、ああっ・・・やっ」

途端に上がる甘い悲鳴に笑みを深くしたガイルはハルがいきそうになると指の動きを止めて引き抜く。

「やぁ・・・」
「まだだ」

何で今止めるんだと言わんばかりの甘い抗議に軽い口付けをして細い足をさらに開かせる。
先程手の平に垂らした潤滑剤をハルの奥と自身に塗りたくって、荒い息を吐くハルに深く口付ける。

「んんっ」

荒い口付け。
何も考えられぬまま翻弄されるハルは力の入らない手を伸ばしてガイルに縋る。
そんな仕草すらガイルを煽り、もう堪えきれないとばかりにガイルはハルの奥を自身で貫いた。







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