ハルと猫と魔法使い/悪友の三色団子
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「んで?何しに来たんだよ」 不機嫌なハルは正面のソファに座る市郎を睨み付ける。 もちろんハルの隣には機嫌の良さそうなガイルが座っていてしっかりとハルの腰に手を回している。 「暇つぶし、じゃなくてガイルに土産」 市郎は見事にクロに引っかかれた頬を痛そうにさすりながらハルに向かってにやりと笑う。 怪我をしたと言うのに全く懲りない男だ。 「何だ?」 自分の名前が出た事でハルを見ていたガイルが市郎を見る。 市郎はにやりと笑って持っていた茶色の包み紙をテーブルの上に置いた。 どうやら和菓子の包みの様だ。 その包みの掠れる音に猫達が一斉に反応して各々テーブルに手を掛けて顔を上げてくる。 それを横目に市郎はふふんと鼻歌交じりに包みを開けてガイルに見せた。 「この前言ってた三色団子。ま、季節だしな。一応柏餅も買っといたぜ」 中から現れたのは甘い匂いの三色団子。 春先に良く見かける白とピンクと緑のあの団子だ。 三個の団子が串にささっている、中にはアンコたっぷりの、あの団子だ。 何故に三色団子?と首を傾げるハルにガイルはハルから離れて三色団子の一本を手に取った。 |
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