ハルと猫と魔法使い/サクラと酒
...08



「んぁ」

酔っぱらいはとても素直だ。
文句を言ってくる赤く染まった唇からは気持ちよさそうな吐息しか吐き出されずにガイルを煽ってくれる。

「いつもこうだと良いのだがな」

そんなハルを鑑賞しつつ、ぬめりの増してきたハルの先っぽに唇を落としたガイルはゆっくりと口内に独特の味を迎え入れる。

「んんっ・・・・ぁ」

くちゅくちゅと音をさせればハルの手がガイルの髪に差し入れられて気持ちよいのだろう、細い腰が徐々に揺れてくる。
にんまりと唇を上げて揺れる腰を押さえながらようやく最近許してくれる様になった後口にそっと指先を当ててなぞる。

「ガイ・・ル」

ゆらゆらと抱えたハルの足が揺れる。
口の中のハルを愛しながら舌先でなぞってすすり上げて後口に当てた指先をつぷりと差し入れる。

「っぁ・・・んっ」

ぴくりとハルが揺れてガイルの髪を引っ張る。

「気持ちよいだろう?」

起きあがってうっとりとしているハルを覗き込んで笑う。
酒の力は偉大だ。
日頃文句しか言わない唇からはひっきりなしに小さな喘ぎ声とガイルの名だけが呟かれて、細めた青紫の瞳は誘っているのかと思ってしまう程に潤みきっている。
その目尻に唇を落として、ハルの中に入れた指をゆっくりと動かせば次第に細い腰が答える様に揺らめきだしてくる。

「ハル、愛している。お前だけを好いている」

赤くそまった耳朶を甘噛して囁きながらガイルに慣らされたハルは後ろだけの刺激で徐々に荒い息になってくる。
まだ指だけしか入れられないがしっかりと感じているのだろう。
ハルの表情はガイルを見つめて恍惚とし、両手を伸ばしてハルを見つめるガイルの頬を包み込んでくる。

「がい、る・・・」

そうして強請るのは甘い口付け。
何だかんだ文句を言いながらもハルは口付けが好きだ。額や頬にする軽いキスも、ゆっくりと舌を絡める深いキスも。

「ハル、愛している」

ハルの中に入れた指を増やして煽りながら息も止める深いキスをハルに落として、ガイルは目を細めてハルの甘い吐息を味わった。







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