ハルと猫と魔法使い
...09



「よせって」

この後何があるか、分かっているだけにハルは一応の拒絶を示すが、悲しいかな、ひょろ長いだけのハルにはいくら多少鍛えているとは言え、逞しすぎるガイルを押し出せる力は無い。

「ハルはつれないな」

妙に機嫌の良い笑みを浮かべたガイルはその大きな手をハルに向かって伸ばす。
触れる先は。

「っ・・・だからよせって、言ってんだろ!」

やんわりと握り込まれてしまった感触にビクリと身体を震わせればガイルの肩も揺れてくつくつと笑われる。
それが、非情にむかつく。

「ハルは正直だな。ほら、口では何と言っても身体は良いといっておるぞ?」

しかも耳朶を舐められながらのおやじ臭い低い声付き。

「・・ぁっ、うー・・・・くそっ、よせ!」

暴れたいのに暴れられず。
ハルの身体を良い用に弄くっては意地の悪い笑みを浮かべて襲いかかってくるガイルは非情に楽しそうだ。
湯船の中で弄る物の感触を楽しみつつ、唇を項に這わせてこっそりとハルにバレない様に跡を付けて。

「ほら、気持ち良いだろう?」
「やぁっ、ぁ・・・・っ」

最後の仕上げとばかりにとびきりの低く甘い声で囁きながら深いキスをハルに仕掛ければ思った通りに手の中で弄くって居たものがはじけて、ハルの甘い息がガイルに届く。
但し、息とは反対に表情は非情に不機嫌だが。

「〜〜〜〜くそっ、手前っ、いっぺんぶっ殺してやる!」

達したばかりで力の入らない手足をばたばたと暴れさせて怒鳴るのもいつもの事。
暴れるハルを軽く取り押さえてガイルはご満悦な笑みを浮かべて不機嫌なハルの頬に唇を寄せて、囁く。

「ハルはつれないな。もう慣れただろう?今度は私を中に入れてはくれぬのか?」
「ふざけるなっ!」

これもいつも通りの展開だ。
あまりにも思った通りで楽しくなってしまったガイルは声を上げて笑いながらハルの身体を洗う為にスポンジとボディーソープを取ってさっさと作業を進めた。







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