ハルと猫と魔法使い
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祖父母が亡くなってから随分と長く一人暮らしをしてきたハルにとって、何気ない日常の中で話しかける相手が居ると言うのは嬉しい事だ。 ガイルも一人暮らしでは無かった様だが、ハルと同じ様に何気ない会話を楽しんで嬉しいと思っている節がある。 特に何を話すと言う訳では無いのだが、ちょっとした事を話せるのが嬉しい。 別に一人暮らしを寂しいとも悲しいとも思っていないハルだが、ガイルとは気も合うし、便利だし、何よりも以外と話術に優れていると言うか、話上手聞き上手な所があるから余計だ。 「今日は何を食べるのだ?」 「そうだなー。この前は焼き肉だったけど、んー。どうすっかなー」 ガイルは外食と言う物を知らない。だから何を食べさせても珍しがるし面白い反応を示す。刺身を食べさせた時の顔が一番笑えたなと思いながらハルは首を捻ってガイルを上目遣いで見た。 「ファーストフード。ハンバーガーとシェイク。店で食ってから買い出し。それでいい?」 「良く分からんがハルが行きたいのならば私は良いぞ」 ガイルがにっこりと綺麗な笑みを浮かべるのを見てハルは申し訳ないと思いながらも心の中でちょっとだけ笑った。 ファーストフードに行くのは初めてなのだから、今日も楽しい一日が送れそうだと思う。 「んーじゃ寝るか。おら、シロ、クロ、チャ、お前らは遊んでこい」 楽しい一日の為にハルはさっさと珈琲を飲み干して猫達を庭に放り投げる。 猫達は一度不満気に小さな声でハルに抗議したがすぐに3匹揃って庭の端へと掛けだした。 ガイルはハルからカップを受け取って片手で2つを持ち、もう片手でハルを抱き寄せる。 何かとスキンシップが好きなガイルは良くこうしてハルを抱き寄せたり抱きしめたりするのだ。 「風呂は沸いている。また壊れてたから勝手に暖めておいた」 「さんきゅー」 ガイルに半身を預けたままハルは微笑んでガイルの頬にキスをした。 ガイルも微笑んでハルにお返しのキスをしてくる。 |
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