ハルと猫と魔法使い
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朝食を負えたハルは食器の片づけをガイルに任せて洗濯をする。 古い洗濯機から脱水の終わった服を取り出すその足下にはチャがごろごろと転がっている。 ちなみにシロとクロはガイルの足下だ。 「こーら、チャ、踏むぞ潰すぞどけ」 機嫌良く転がるチャを足の指でうりうりとつついて、洗濯物を抱えて庭に出る。 最近めっきり春らしくなった気候は天気の良さも重なってとても良い気持ちになる。 雨も好きだが晴れも好き。一番好きなのは春先の快晴。 何もないのに天気が良いと言うだけで機嫌の良いハルはパンパンと洗濯物を広げて干していく。 庭も広いからいくらでも洗濯物を干すスペースがある。まあ、手入れをサボっているから半ばジャングルの様になっているのだが、それでも洗濯物を干すくらいのスペースに困る事はなく、しかもどんなに洗濯したと言ってもたかだか2人分。さほど時間を取らずに干し終わった洗濯物を眺めてのびをしたハルは煙草を取り出して銜えた。 「ハル、私も終わったぞ。珈琲も入れた」 丁度、なのだろうか。洗い物を終えたガイルが珈琲の入ったカップを2つ手に持って、ついでに猫2匹を引き連れて庭に出てくる。 洗濯竿の側にはいつの時代だかも忘れる様な大理石のテーブルと椅子があるのだ。 「さんきゅー。って俺はこれから寝るって言ってんだろうがよ。珈琲飲んでどうするんだ」 「どうせ何を飲んでもハルならすぐに寝るだろう?」 冷たい石の椅子に腰掛ければガイルも向かい側に腰掛けてカップを手渡してくれる。 受け取って、文句を言う割にはあっさりと珈琲を飲み始めるハルにガイルは笑みを浮かべて膝の上に乗ってきたクロを撫でた。 何時の間にやらテーブルの上にはチャが乗って置物の様に座っている。 シロはハルの膝に乗ってごろごろと喉を鳴らす。 「ガイルはちゃんと寝たのか?」 「いや、さほどは寝ていない。ハルが寝ると言うのなら一緒に寝るぞ」 「そうだなぁ。寝れるっつーんだったら寝るか。午後になったら起きて飯食いに行こうぜ」 「了解した」 |
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