星降る庭で/番外編。その2






羽胤国はどちらかと言えば常夏の様に思える風景だけれども、実際住んでみればこの国の気候がとても穏やかである事が分かる。要するに、常夏寄りの、常春の国なのだ。

だからなのだろうか。
食べる物は沢山の種類が豊富に有り、全て島の中で一年中栽培されている。
何より豊富なのは果物で、それよりも豊富なのは島国である羽胤特有の魚達だ。


そんな訳で。
食卓には野菜より果物の方が多く、肉より魚の方が多い。

「今日は翔雅様がお出かけなので私と一緒にお食事しましょうね」

にこやかに笑む天丸がガラガラと押して来たのは翔愛と天丸、二人だけの食事の乗ったワゴンだ。
丁度時間は昼食時。翔雅は国の中を巡るのだそうで、今日は天丸と二人だけだ。

運ばれる様々な、彩りも豊かな食事は見た目にも美しく、味も良い。
後で聞いた話だけれども、翔愛の生まれ故郷である愛綺国の食事は野菜と肉中心なのだそうだ。
羽胤国の食事とは随分違うけれど、基本的に粗食だった翔愛には良く分からない。

次々とテーブルの上に乗せられる昼食はどんどん数を増して、ちょっとテーブルから落ちそうだ。

「たくさん、ですね」

いつもは翔雅と翔愛の二人で、偶に天丸が一緒だけれどもこんなに沢山の量では無い。
驚いて正面に座る天丸を見上げればにこりと微笑んだ天丸が手早くお茶の準備をしてくれている。

「今日はちょっと時間が無くて、普段は食堂で食べるのですがね」

微妙に返答になっていない。
翔愛には分からないが、この天丸の返答は『食堂で食べている』が正しくて、要するに天丸の昼食は二回、なのだ。

「はい。お茶をどうぞ。無理はせず、沢山食べて下さいね」
「いただきます」

テーブルの上、大皿に盛られた野菜と果物。肉と魚にパンと米。それとデザート。
沢山有りすぎて何から食べて良いのか分からない翔愛に何時も翔雅や天丸が小皿に盛り分けてくれる。
バランス良く盛られた小皿は翔愛の小さな手に丁度良い。
ちまちまと美味しい食事を口に運ぶ翔愛は小皿を2,3回空ければお腹がいっぱいになってしまう。
以前はそれ以上頑張って食べたけれど、結局は食べきれないばかりか倒れてしまって随分と皆に心配をかけたし、怒られてしまった。
だから今はほどほどに。お腹がいっぱいになった時点で止めているのだけれども。

「天丸さま、それは全部食べるのですか?」
「もちろんですよ。今日のご飯も美味しいですね。翔愛様、もうよろしいのですか?」
「は、はい。もうお腹いっぱい、です」

天丸は違う。
翔愛には持てない程の大皿に沢山の食べ物を積み上げて、ざくざくと食べている。
仕草はとても綺麗で、けれど素早く沢山。
次々とテーブルの上にあった食事が無くなっていく。あんなに沢山あったのに、翔愛が小皿を空けている間にあちこちの大皿が空になっていて、でも翔愛のお腹にはほんの少ししか入っていなくて。

「・・・すごい、です」

思わず呟いてしまう翔愛だった。



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普通の人のご飯を1とすれば。翔愛の量は0.5。翔雅が3。天丸は5です(笑)


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